実物写真つきコラム、第三弾です。またしてもアキュフェーズ、今回はCDプレーヤー「DP-70」です。ちなみに第一回のプリアンプC-280Lと同じお客様から買取させていただきました。
Accuphase DP-70について
DP-70は1987年に発売されました。CDの販売枚数がLPを抜いたのが前年の1986年の事ですから、いよいよCDが主流ソフトになっていくことを受け、気合が入っていたことでしょう。
本機の売りは「世界初のディスクリート・D/Aコンバーター」です。「D/Aコンバーター」というのはCDに入っているディジタル信号をアナログに変換する装置で、「ディスクリート」というのは集積回路(ICやLSI)を使用せず、単体のトランジスタなどを使っている、という意味です。一概には言えませんが、1つ1つの部品にこだわって作ることができるため、高性能になる傾向があるのです。
そして、CD回転部は厚手の金属フレームを使用することで振動を抑えています。何せ、物理的な動きを伴う機器はこの振動音が耳障りだと興ざめですからね。とことんこだわりぬいています。分厚いトレーがしずしずと出てくる様は大名行列並みの重々しさです。
デザインはC-280Lと同じく、余計な部分にはカバー、前面パネルには必要十分な部分だけが見えています。ゴールドの入った落ち着いた色とサイドの木材も相まって、とても重厚です。
買取させていただいたAccuphase DP-70
以前のプリアンプと同様、とても丁寧に扱われてきたことがよく分かるお品でした。ただ残念なのが、リモコンが欠品していたこと。機器類は「新品購入時の状態」にどのくらい近いかが命です。