今回は非常にマニアックなJ.A.シーザーについて解説するとともに、レコードの買取相場についてご紹介していきたいと思います。
まずはJ.A.シーザー(ジュリアス・アーネスト・シーザー)とは何者か?というところですが、お名前は海外の方のような印象ですが、日本の方です(本名は寺原孝明です)
作詞家、作曲家、演出家と多彩で、演劇実験室◎万有引力の主催者でもあります。
そして、アングラ演劇四天王のひとり、寺山修司率いる劇団「天上桟敷」の音楽と演出を担当していたのが、このJ.A.シーザーなんです。
…前衛的かつ独特な空気感満載でお送りしていきます!
目次
J.A.シーザーの活動について
寺山修司と劇団「天井桟敷」
寺山修司は「言葉の錬金術師」「アングラ演劇四天王のひとり」「昭和の啄木」と数々の異名をもち、歌人や劇作家、作詞家など多くの才能を発揮し、いつの時代も若者を魅了し続けています。
1967年に横尾忠則らと「天井桟敷」を結成し、1969年にはフランクフルト前衛国際演劇祭EXPERIMENTA3に参加し、以降海外での公演を重ねていきます。
1975年には東京都杉並区一帯を使い、30ヶ所30時間にも及ぶ市街劇「ノック」を一切の許可を取らずにゲリラ的におこないました。
過激なフラッシュモブみたいな感じですね…。
そして劇団員は逮捕され、寺山修司は出頭するという騒ぎとなるのですが、出動する警官や批判するマスコミすらも市街劇のひとつと、寺山修司は捉えていたそうです。
若いころから病と隣り合わせだった寺山修司は、1981年に肝硬変の再発で入院し、1983年に腹膜炎を併発、敗血症のため47歳の若さで亡くなります。
J.A.シーザーと「演劇実験室◎万有引力」
1983年、「天井桟敷」の音楽や演出を担当していたJ.A.シーザーが、寺山演劇を継承するカタチで「天井桟敷」のメンバー31名と共に「演劇実験室◎万有引力」を結成します。
「シナの皇帝」で旗揚げし、奴婢訓海外公演など実質的に後継として活動を続けています。
ではJ.A.シーザーについてですが、天井桟敷に入団する前は、フーテンとして新宿を中心に活動しており、天井桟敷の女優に芝居を観にこないかと誘われたのがきっかけで入団したそうです。
しかも当時のJ.A.シーザーは音楽について素人同然だったのですが、その才能を見い出したのが寺山修司だったんです。
ちなみに1970年にデビューシングル「すべての人が死んでいく時に」を発表しますが、死を連想させるということから、発売禁止、自主回収となりました。
もし、このシングルレコードをお持ちであれば、かなりレアです!
アニメ「少女革命ウテナ」への楽曲提供
1997年に放映していた「少女革命ウテナ」は、主人公ウテナがとあることがきっかけで男装をして生きていくことを決意し、学園生活で決闘ゲームに巻き込まれていく…といった難解かつシュールな内容で、同性愛や近親相姦などタブーにも大きく踏み込んだ脚本が特徴的です。
影を大胆に利用するなどの演劇性に、J.A.シーザーの「絶対運命黙示録」がハマり、非常に癖が強いですが、熱狂的なファンが多くいます。
「絶対運命黙示録」は一度聴いたら頭にこびりつき、気づいたら口ずさんでるような中毒性があります。
その後も「少女革命ウテナ」に関する曲を引き続き作っており、2016年には2作品のアルバムを発表しています。
J.A.シーザーのレコードの買取相場
呪術音楽劇「邪宗門」(SF-1021)
天井桟敷での実況録音LPです。初回の変形帯、インサートの揃った完品であれば10万円を狙えます。
「全ての人が死んで行く時に」(SONA 86120)
発禁、自主回収となったいわくつきシングルです。状態が良い完品は30,000円で買取致します。
ずば抜けて相場の高い2枚を取り上げましたが、J.A.シーザー関係のレコードは人気のものが多く、数千円以上を期待できるタイトルがたくさんあります。
まとめ
今回は、かなりマニアックなJ.A.シーザーについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
「少女革命ウテナ」の「絶対運命黙示録」はかなりインパクトが強く、人の感情を大きく揺さぶり、のみこんでくる印象があります。
そういうところがJ.A.シーザーだからこそであり、今もなおコアな人気を保っているのでしょう。
さて、TU-Fieldでは聴かなくなったレコードの買取のお手伝いをおこなっています。
レコードはダウンロードやCDでは手に入らない、廃盤になった作品も多くあります。
音楽や芸術を次の世代に引き継ぐためにも【処分】するのではなく、【買取】を選んでいただけたら嬉しいです。
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