この記事ではジャンル別のレコード買取相場と買取価格の調べ方について説明していきます!
洋楽、ジャズ、ロックなど人気のジャンルでのレコード買取価格の相場や、高価買取をしているアーティスト名などをいくつかご紹介します!
これからレコードを売ろうか悩んでいる方は是非、参考にしてみてください。
目次
ジャンル別!レコード買取相場一覧
どんなジャンルのどんなレコードが高額になりやすいかなど、買取事情を簡単にご説明します。
とはいえ、どんなレコードが高く売れるかを一概に申し上げるのはほぼ不可能に近いことです。もちろん、このジャンルは良く売れる、このジャンルはあまり売れにくい、といった傾向はありますが、その中でも例外はたくさんございます。
1960年代~70年代初頭の洋楽ロック
最高額でいうと、ダントツに飛びぬけているのが1960年代の洋楽ロックのレコードです。例えばビートルズの特定の帯が付いたレコードは、数10万円での買取になるものもございます。
上のページでご紹介しているのはほぼすべて、日本国内で最も初期のころに発売されたレコードです。ビートルズは人気バンドですから、レコードは何度も再販されています。再販されたものは多く出回っており、相場も比較的安価になります。
ほかにもビートルズと同世代、1960年代の洋楽ロックのレコードには高価買取レコードがたくさんあります。バンド名でいうと、ローリング・ストーンズ、クリーム、ビーチ・ボーイズ、ドアーズ、ザ・フー、キンクスなどです。
どのジャンルでも言えることではありますが、洋楽ロック国内盤では特に帯の有無が価格決定の大きなポイントになっています。極端な場合、価格の9割を帯が占めることもあります。当店でもビートルズのレコードを数えきれないほど買取してきましたが、やはり帯のないものが多いのです。
その他はどうか、といいますと、1970年代でしたら「プログレッシブ・ロック」と呼ばれるジャンルが人気です。バンド名でいうと、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、ジェスロ・タル、イエス、ユーライア・ヒープなどです。
また同世代のハードロックにも人気レコードがたくさんあります。レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルといったあたりです。
1970年代でもう一つ人気なのはパンクです。セックス・ピストルズ、ラモーンズ、ザ・クラッシュ、ダムド、テレヴィジョンなどです。
1980年代は残念ながら、それ以前に比べて平均的に振るわないのが実情です。80年代当時に良く売れた作品は中古市場にも相当量が出回っているようです。
主なアーティスト一覧
ビートルズ(BEATLES)
世界的に有名な伝説のバンド「ビートルズ」。現在でもそのレコードは高い人気を誇ります。輸入盤の方が高い傾向にありますが、国内盤でも「半掛け帯」など流通枚数が少ないものは高額での買取が期待できます。
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)
数多くの著名ミュージシャンに影響を与えてきた「ローリング・ストーンズ」。ビートルズと同じく、世界的な人気を誇り、たくさんのレコードが流通しています。
ボブ・ディラン(Bob Dylan)
2016年に歌手として初のノーベル文学賞を受賞した「ボブ・ディラン」。初期作品のUSオリジナル盤は高額での買取が期待できます。
高く売れるレコード一覧
マイ・ジェネレイション/ザ・フー 45万円
楽器を破壊したり、腕を振り回すウィンドミル奏法など、派手なパフォーマンスで知られる「ザ・フー」1965年のファーストアルバム。国内盤・帯付・規格番号SDL-10271が高価買取の対象です。オリジナルと違うジャケットと、「ザ・フゥー」のバンド名表記が目印。
スぺイス・オダティー/デヴィッド・ボウイ 40万円
「デヴィッド・ボウイ」の出世作となったレコード。シングル盤としては、かなりの価値を持つ作品です。
サイケデリックの新鋭/ピンク・フロイド 20万円
イギリス出身のプログレッシブ・ロックバンド「ピンク・フロイド」のデビューアルバム。高価買取対象は邦題「サイケデリックの新鋭」の国内オリジナル盤です。現在では「夜明けの口笛吹き」という邦題に改められています。
洋楽ロックの高価買取レコードはこちらのページでご紹介しています。
ジャズ
ジャズもまたレコード人気の高いジャンルです。特に1960年代のモダン・ジャズは安定して人気があります。特に人気なのはブルーノートというレコード会社から出た作品です。
ブルーノートのオリジナル盤(本国アメリカで最初に発売されたレコード)は相当額になります。とはいえ、日本で持っている方は相当のジャズマニア、それもお金に糸目をつけない方です。
多くの方がお持ちなのは国内盤か、米国ブルーノートの再発盤だと思います。それでも安定して人気があるのがブルーノート、国内盤でも数百円の値段がつくものが相当数あります。
主なアーティスト一覧
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)
ジャズというジャンルのなかでも最もよく知られるミュージシャンでしょう。貪欲に新しいことに挑戦していく姿勢で、電子楽器を大胆に導入するなどジャズの革新に尽力しました。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)
「ビル・エヴァンス」は、アメリカのピアニストであり、モダンジャズを代表するミュージシャンです。名門レーベル「リバーサイド」で多くの作品を残しています。
リー・モーガン(Lee Morgan)
若い頃から高い評価を受けていたアメリカのジャズ・トランぺッターである「リー・モーガン」。デビュー作品である「Lee Morgan indeed!」は、特に価値が高いとされています。
アート・ペッパー(Art Pepper)
ジャズ・サックス奏者である「アート・ペッパー」は、ウエストコースト・ジャズの中心的人物として知られています。1957年に発表されて「Modern Art」が、特に価値の高いレコードとされています。
ジャズの高価買取レコードはこちらのページでご紹介しています。
和ジャズ
最近日本人による1950~70年代の和ジャズが再評価されています。
和ジャズの定義は非常にあいまいですが、日本人による古めのジャズを主に指します。欧米のレーベルからも続々と復刻盤がでるなど注目すべきジャンルです。日本のジャズといえば渡辺貞夫などを思い浮かべられるかもしれませんが、レコード人気があって高価になるのはも少しディープな方たちです。
代表的なアーティストに石川昌・高橋昌行・鈴木弘・鈴木宏昌・阿部薫・山下洋輔などがいます。レーベルでいうと、意欲的に新鋭の発掘をしていたスリー・ブラインド・マイス(Three Blind Mice)から発表されたレコードは今でも人気があります。
ジャンルの専門知識をもったスタッフのいる買取店で査定してもらうと、思いもよらぬ高値がつくこともあるかもしれません。
シティポップ・和モノなどの邦楽
邦楽のレコードは平均額でいうとロックやジャズには及びません。そのわけは高価なレコードに比べて安価なレコードが圧倒的に多く出回っているからです。
その中で今、相場が良くなっているのがシティポップです。山下達郎、大瀧詠一、大貫妙子、竹内まりやなどです。その周辺のはっぴいえんど、細野晴臣関連のレコードも相場が良いです。
他には、1950年代後半、洋楽ポップスを日本語でカバーした「カバーポップス」も人気が高いです。梅木マリなどです。
それ以外の邦楽、例えばアイドルはどうかというと、あまり高額タイトルは多くありません。今現在、某新古書店の均一コーナーに某アイドルのCDがたくさん並んでいるのと同じ現象です。
その中で高くなるものはというと、まずは「高音質盤」です。例えば松田聖子なら「マスターサウンド」です。
また、CDに完全に移行する直前、1989年のレコードも、その希少性ゆえに高額が期待できます。例えば中森明菜の「クルーズ」です。
その他の邦楽、例えば井上陽水やチューリップ、オフコースなどはどうかというと、高額買取タイトルは存在しない、といったほうがいいかもしれません。もちろん上記のアーティストにも高価なタイトルはありますが、正式デビュー前の別名義作品だったり、あまり流通していない自主制作盤だったり、ほとんど売れていない時代の作品だったりで持っている人がとても少ないのです。
最後に、これは新しめのものになりますが、CD時代になってからのアルバムのアナログ盤も、流通量が少なく高値が期待できます。日本は1990年ごろには各社がレコードの生産を終了していたため、その時代のアナログ盤=限定盤ということが多いのです。
例えばフリッパーズ・ギター(コーネリアス、小沢健二)、ピチカート・ファイブなど、いわゆる渋谷系は今でも人気が高く高値で取引されています。
邦楽の高価買取レコードはこちらのページでご紹介しています。
クラシック
クラシックは、国内盤は一部の人気演奏者や指揮者を除くと結構厳しいジャンルです。当店で扱った中では、ジネット・ヌヴーや諏訪根自子などのレコードで1,000円以上での買取が出来たものがあります。
廉価盤が多く出回っているうえ、クラシックを聴く人はほんとうに「聴く」ことにこだわります。レコードならドイツやイギリスで製造されたオリジナル盤を求めますし、CDやさらに高音質のSACDと、新しいフォーマットが好まれるのがクラシックというジャンルです。
クラシックの高価買取レコードはこちらのページでご紹介しています。
その他、高く売れるジャンル
その他ですと、普通の人になじみのないような、一風変わったジャンルはカルトな人気があって高値になったりします。アンビエント(環境音楽)と呼ばれるジャンルであったり、ノイズを駆使した実験音楽など、「なんだこれ」というものがすごく高くなることがあります。
いちど、当店で「生産性向上のためのB.G.音楽 工場向 第1集」というレコードを、状態は少々悪かったのですが3,000円で買取させていただいたことがあります。タイトルだけ見るとまったく面白くなさそうなレコードですが、実は吉本新喜劇に使われた音楽なのです。
値段のつきにくいジャンル
ここまではいいお話が続いたのですが、残念ながら値段のつきにくいレコードもあります。
例えば演歌は残念ながらレコード人気がかなり低いジャンルです。藤圭子、テレサ・テンなど一部の人を除くと単品でしっかりお値段のつくレコードはほとんどありません。
演歌を聴く層はご年配の方が多く、CDを好まれるようです。これは他のジャンルにも言えます。一部の邦楽はCDの方が良く売れますし、落語なんかは圧倒的にCDのほうが人気です。
その他、ポール・モーリアやサム・テイラー、ニニ・ロッソ、レーモン・ルフェーブルといったムード音楽は単品でお値段のつくレコードがほとんどありません。浪曲や長唄、端唄も厳しいジャンルです。
買取が難しいレコード
暗い話が続き申し訳ございません。悲しいことに、買取自体が難しいレコードもございます。買取自体が難しいというのは、売値が極端に低いかほとんど売れないため、検品の人件費や運賃などで赤字になってしまうためです。
・出版社から出ている全集もののレコード
・ムード音楽や民謡の揃いもののレコード
・カラオケのレコード
・反り・キズなど、状態が著しく悪いレコード
レコードの買取価格を調べる方法
ここからは、レコードの買取価格を調べる方法について説明していきます!
調べ方によって多少相場も前後しますので、いくつか試してみて、自分にあった方法を見つけてみてください!
ネットの一括見積もりを利用してみる
ネットでは様々なレコードの一括見積もりを行っているサイトも増えています。
このサイトに依頼することで加盟している買取店などが実際に概略査定を行い、金額提示をするので自分で持ち込むよりも多くの見積もりの情報を集めることができるのがメリットとなっているのです。
ただし、一括見積もりの場合には詳細な状態を把握することができず、あくまでも一般的な査定価格の提示にとどまるため、その後の詳細な査定の段階で金額が下がることも十分に考えられます。
特にレコードの場合はその状態のほか、ジャケット等の状態も査定の重要な条件となるため、条件の提示の際に十分に表現しきれていない部分の結果によってはマイナスとなってしまう場合も多いのです。
そのため詳細な見積もりの段階で当初の見積もりから金額が変動してしまう恐れがあることがデメリットとなっています。
しかし、自分で買取店に出向いて査定を行う場合に比べ、買取店側にも競争意識が働くので貴重なものの場合などは高めの価格が見積もられることが多いのがメリットです。
実際に近くのレコード専門店に持っていく
レコードの買取方法の最もポピュラーなものがレコード専門店に持っていくことです。
このような店は相場に詳しい担当者がいることが多いため、非常に適正な価格となることが多く、信頼できるのが特徴です。
また価格が折り合えばそのまま買取となり、すぐに現金化できるのも非常に嬉しいポイントになっています。
ただしレコード専門店が複数ある場合には、それぞれに見積もり金額が異なることから、時間の許す限り複数の店舗を回って見積もりをチェックするのが良い方法です。お店ごとに扱っているジャンルも違うため、そのジャンルに合ったものを高く買い取る傾向があり、相場にプラスの査定となることも少なくありません。
直接持ち込む場合には高い価格となるメリットがありますが、逆に店舗によってはマイナスになるデメリットもあります。
そのため、この場合には事前に取り扱っているジャンルや買取の傾向などをチェックしてから行うことがより高い金額を引き出す秘訣となっています。
おすすめしにくい相場の調べ方
「○○ レコード 買取 相場」と検索すると、「レコードの買取相場」を紹介するサイトがヒットすることがありますが、これはあまり信用できません。
実際にレコードを買取しているお店が「この価格で買取します」と提示している場合は信用できます。その場合、レコードの「型番」や「付属品」に関して注意書きがあると思います。これらが違うと買取価格はまったく変わってしまうからです。
なので、「型番」すら記載していないサイトの掲げる「買取相場」は信用できません。こういったサイトを見ると、そこの業者自体は買取を行っていないことが多いです。
また、オークションサイトの落札実績を見るのも、「買取価格」を知る上ではあまりあてになりません。落札価格で分かるのはひとつの「販売価格」であって一般的な「買取価格」ではないからです。また販売価格に対してどのくらいの割合で買取価格を設定するかもお店によって変わります。ただ、どのレコードがレアなのか、人気があるかは分かります。
まとめ
今回は、ジャンル別の買取価格について説明しました!
レコードの買取相場はジャンルやアーティストによって大幅に変わります。
買取を考える際は、信頼できるお店を見つけてみたり、大体の買取相場を把握しておくといいかも知れません。
ご自身の大事なレコードを相応の価格で買い取ってもらえるように下調べはきちんと行うのがオススメです!