東大阪市から、宅配にて2箱分、140枚ほどのレコードをお送りいただきました。高額タイトルが含まれていた上に状態も非常に良好です。合計金額は5万円超えとなりました。それではご紹介しましょう。

まずはイギリス出身勢から。70年代後半から80年代にかけてのパンク~ポストパンク~ニューウェーブ中心、80年代の裏街道をめぐるような内容でした。
まずはマンチェスター出身のパンクバンド、ジョイ・ディヴィジョンです。ひやりと硬質なサウンドに詩人イアン・カーティスの冷徹バリトンボイスが時に不気味に響き渡る、のちのポストパンクに影響絶大の2枚です。今回一番高額となったのが左の「アンノウン・プレジャーズ」です。ジョイ・ディヴィジョンのファーストアルバムで、ジャケットの波形は天文学の本から採られました。元々は白地に黒い線だったのをデザイナーのピーター・サヴィルは白黒反転させました。サヴィルはこのアルバムが売れたのは俺のデザインのおかげだ、と豪語しています。ちなみにプロデューサーを務めたマーティン・ハネットは自分のプロデュースのおかげだ、と主張していました。

ジョイ・ディヴィジョンはイアン・カーティスの自殺という形で突如幕を閉ざされます。残されたメンバーはニュー・オーダーと名を変え、エレクトロニカを取り入れた斬新な音作りに取り組みます。今回は名曲と名高い2曲の12インチです。ブルー・マンデーのジャケットはフロッピーディスクを模したものですが、本国イギリスではジャケットを型抜きしてよりフロッピーに近い形でリリースされました。笑えることに、型抜きでジャケット製作の費用がかさんで1枚売るたびに赤字を出していたそうです。

同じくマンチェスターからデビューしたのザ・スミス。モリッシーの根暗っぽい詩を引き立てるジョニー・マーの流麗なギターが持ち味です。

ジョイ・ディヴィジョンと同時期にリヴァプールから出てきたのがエコー・アンド・ザ・バニーメン。初期の性急なパンクを引きずったサウンドから徐々に哀愁を帯びたメロディアスな雰囲気になっていきます。数年前、ヴォーカルのイアン・マッカロクがライブのために来日していましたが、折あしく日本のご近所の国の情勢が怪しくなり日本を脱出したということがありました。

バウハウスはやはりパンクを源流としながらも「ゴス」と呼ばれる一派です。バンド名をドイツの芸術学校から採った、独自の美学を貫くバンドです。

ザ・キュアーも独特です。中心メンバーのロバート・スミスは化粧をしてステージに上がります。かっこいいうちは良かったのですが太ってくるとだんだん不気味になりました。

同じ時期にイギリスで活躍したバンドやアーティストです。ジーザス&メリーチェインはノイズ+甘ったるいメロディという必殺の方程式を開発しました。

サイケデリック・ファーズです。

ニック・ケイヴはオーストラリア出身ですがイギリスで活動しました。

ピーター・ガブリエルです。プログレバンド「ジェネシス」の一員でした。

80年代初めに活動を始めたアメリカのバンド「R.E.M」。のちにメジャーに移籍しますが今回お送りいただいたのはインディーズの頃の作品ばかりです。

R.E.M.のインディー時代と時を同じくしてアメリカで小規模に流行ったのが「ペイズリー・アンダーグラウンド」。60年代のヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどの質感とサイケ感覚をフィーチャーしたバンドが多くありました。

デヴィッド・ボウイとイギー・ポップです。イギーの「イディオット」はボウイのサポートのもと制作されました。

ニューヨークパンクです。テレヴィジョン、パティ・スミスなどです。


時代をさかのぼっていきましょう。テレヴィジョンのギターヴォーカル、トム・ヴァーレインのあこがれだったドアーズです。

ドアーズと同時期にNYで活動したヴェルヴェット・アンダーグラウンド、そしてルー・リード。

ここでイギリスに飛びます。シド・バレットと彼が在籍したころのピンク・フロイドです。

ちょっと毛色が変わってレナード・コーエン、そして60年代のアーティストたち。


宅配で沢山送っていただいた場合、値段が安いものも多いのが普通ですが、今回は異様にいい値段の付くものが多く、また状態も申し分ないということで結構な高額となりました。店主自身好きなバンドのレコードがザクザク出てきてとても楽しく拝見させていただきました。この度はありがとうございました。