美空ひばり、雪村いづみと共に「三人娘」と呼ばれ、一世を風靡した江利チエミ。
ジャズやポップスから始まり、民謡、歌謡曲、ミュージカルなど幅広いジャンルをこなす柔軟さと、ブラジル音楽祭で最優秀歌唱賞を授賞するほどの歌声。
今回は、そんな江利チエミの歴史を振り返りながら、レコードの買取相場もご紹介していきます。

江利チエミの魅力

バンドマンと軽演劇女優の両親の元に生まれ、家計を支えるために12歳ごろから米軍キャンプをまわってショーに出演。
チエミはドリス・デイの「アゲイン」などを習得し、ジャズ歌手への志向を高めていきます。
天性のリズム感と表現力で進駐軍のアイドルとなり、「エリー」という愛称で親しまれました。
メジャーデビューシングルの「テネシーワルツ」は23万枚の大ヒットとなり、ジャズを全国に広げる牽引役となります。

次項では、そんな江利チエミのレコード買取相場をお伝えします。

江利チエミのレコード買取相場

スタンダードナンバーのカバーを多く披露していた初期のEPレコードは特に人気です。
ジャケットのデザインとあわせて楽しみたい歌声ですね。

タイトル参考買取価格
雨降る町を/やさしく愛して(EPレコード:EA-12)2,000円
串かつソング/バイバイラヴ(EPレコード:EA-20)3,000円
グレンドーラ/誇り高き男(EPレコード:EA-9)3,000円
第8集 チエミ・フェーバリッツ(コンパクト盤:KEA-33)3,000円
恋人よ、われに帰れ(4曲入りコンパクト盤:KEA-9)3,000円
あなたの自由に/君住む街角(EPレコード:SEA-12)3,000円
アンチェイン・マイ・ハート/ダニー・ボーイ(EPレコード:EB-7194)5,000円

※買取価格は状態、付属品の有無によって大きく変わります。
また相場状況でも変動がございますので、ご参考程度にお考え下さい。

江利チエミの軌跡

①幅広いジャンルで活躍

歌はもちろんですが、それだけに留まらない多才な才能でも人々を魅了しました。
庶民的な雰囲気を持つタレント性が買われ、映画には50本も出演しています。
その中でも映画「サザエさん」シリーズが大ヒットとなり、後にテレビドラマや舞台化もされ、生涯の当たり役となりました。
「スター誕生」「マイフェア・レディ」などミュージカル・スターとしても活躍し、メインパーソナリティなど司会業にも進出しています。

②異父姉とのトラブル

名古屋で家庭をもち暮らしていたY子は、ある日チエミが異父妹であるという事実を知り、「離婚をして経済的に困窮している」と偽り、家政婦・付き人としてチエミに近づき家に入り込みました。
徐々に信頼を得ていき、最終的には経理を任されるまでになります。
不遇な境遇の自分と「大スターの妹」との差に嫉妬していたY子は、ここからチエミを陥れるべく犯罪的な行動をとり始めます。
当時、高倉健と結婚していたチエミ。
その2人についてのでっちあげの誹謗中傷を吹聴、チエミ名義の銀行預金を使い込み、高利貸しから多額の借金をし、不動産までも抵当にいれました。
事件発覚後も容疑を否定し、週刊誌などで反論するとともに、チエミへの誹謗中傷や家庭内の暴露を展開した挙句に失踪、自殺未遂騒動まで引き起こすという大トラブルに発展。
断腸の思いで異父姉を告訴したチエミは、高倉に迷惑をかけてはならないという理由で、離婚を申し入れます。
数年かけて数億に及ぶ借金を完済し、抵当にとられた実家などを取り戻しました。

③45歳の若さで死去

1982年、自宅マンションのベッドでうつぶせの状態で倒れているのをマネージャーが発見、すでに亡くなっていました。
脳卒中、お酒の飲みすぎ、体調不良等の不幸が重なったことによるものでした。
あまりにも突然すぎる死に、親友だった美空ひばりや雪村いづみなどはショックを隠しきれずに号泣し、葬儀の席でも深い悲しみに暮れました。
元旦那である高倉は、葬儀に姿は現さなかったものの、本名で供花を贈り、会場の前に車を停めて手を合わせたようです。

まとめ

今回は江利チエミの歴史を振り返りながら、レコードの買取相場もご紹介してきましたが、いかがでしたか?
悲運に見舞われながらも、エンターテイメントの世界で人々を魅了し続けたその様に、心を打たれたことでしょう。

さて、TU-Fieldでは聴かなくなったレコードの買取をおこなっています。
ダウンロードやCDでは手に入らない、廃盤になった作品もレコードには多くあります。
素晴らしい音楽や芸術を、次の世代に引き継ぐためにも【処分】ではなく【買取】を選んでいただけたら嬉しいです。
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