「どんなレコードが高く売れるだろう?」
当店ホームページをご覧いただいている方にとって気になるのはやはりそこでしょう。さらにいえば、「自分の持っているレコードはどのくらいのお金になるだろうか」ということが一番気になることと思います。

簡単に言ってしまえば、需要に対して供給が少ないレコードが高額になる、ということです。どこのレコード屋さんでも並んでいるようなレコードは、どんどん値段が下がってしまいます。逆に、欲しいと思う人が少なからずいて、流通量が少ないレコードは高値で取引されます。
今回は、どんなレコードがこの条件に当てはまりやすいか実例も交えつつお話ししましょう。

①オリジナル盤

レコードを買うようになると、「オリジナル盤」という言葉を耳にすることが多くなります。同じアルバムのなかでも一番最初に製造・販売されたレコード、ということです。例えばビートルズの場合、オリジナルはUK盤のなかでもっとも早くプレスされたもの、ということになります。

ここでややこしいのが、レコードのどこを見ればオリジナル盤とわかるのかが定まっていない、ということです。書籍であれば、奥付を見れば初版か否か、比較的簡単に判別できます。しかしレコードには奥付がありません。ジャケットの記載やレーベル面の細かな違い、ディスクの最内周付近の「マトリックス」と呼ばれる刻印等を複合的にみて判断します。

②一時期しか製造されなかったもの

レコードの多くは、複数回にわたって再発されます。最初にプレスしたものが捌けると、レコード会社は再度、レコードを製造します。またアーティストの所属レーベルが変わったときにも、新しいレーベルから旧作がリリースされることがあります。

そんな中で、ほんの一時期しか製造されなかったヴァージョンというものが出てきます。そういったレコードも、高値が付くことが多くなります。

例えば、「4チャンネル盤」のレコードがそのひとつです。これは名前の通り、4つのスピーカーを用意して広がりのある音を再生する、今日の5.1chサラウンドのはしりのようなものです。1970年代に各社が独自の方式でレコード及び再生装置を開発、販売しましたが、規格が統一されていなかったことやオイルショックの影響により、70年代末にレコード界から姿を消してしまいました。
製造時期・タイトルが限られますので、おおむね通常盤に比べると高価買取が期待できることになります。

4チャンネル盤レコードの例

ピンク・フロイド / 原子心母(EOZ-80008)

ピンク・フロイド「原子心母」4チャンネル盤帯付きを高価買取しております

原題をそのまんま日本語に置き換えた邦題が素敵なアルバム。やはりこういった”最新”技術に似合うのはプログレですね。ちなみにフロイドの国内盤はオデオンから出ていたので、赤盤もあります。4チャンネル盤、赤盤とも、通常盤の2倍以上の買取となります。

③特定の国でしか製造されていないレコード

多くのレコード作品は、複数の国で製造されます。UK盤、US盤、独盤、仏盤、国内盤と、いろいろとありますね。

しかし、レコードのなかには、例えばUS盤しか存在しない作品があったりします。著作権の問題であったり人気の問題であったり、その原因は様々ですが、当然の事ながら希少性は高くなり、高額での買取が期待できる、ということになります。

特定の国でしか製造されなかったレコードの例

The Beatles ‎/ Yesterday And Today(T 2553)US盤

ビートルズ「Yesterday And Today」US盤ブッチャーカバーを高価買取しております

商魂たくましすぎるUSキャピトルの商法に反発したビートルズは、US盤用になんとも趣味の悪いジャケットデザインを送りつけました。デザインはすぐに改められ、このジャケのものはあまり流通していません。通称「ブッチャー・カバー(Butcher Cover)」と呼ばれ、その中でもバージョンによって価格は変わります。

④限定盤

数量限定で生産されたレコードは当然希少性が高くなります。限定盤はどのジャンルにもありますが、一番見分けやすいのは比較的新しい邦楽でしょう。

というのも、日本では1990年代にはレコードの生産がほぼ終了し、新譜は基本的にCDのみでのリリースとなったからです(21世紀に入ってからはレコードも盛り返しています)。すなわち、90年代から2000年代にかけて発表された邦楽のレコード=限定盤、といっても過言ではありません。

具体的な名前を挙げますと、宇多田ヒカル、小沢健二といったアーティストが1990年代~2000年代に発表したアルバムのアナログ盤は比較的高値で取引されています。
ちなみに、欧米ではレコードの生産は途切れることなく、多くのアーティストがCDとレコード、両方のフォーマットで作品をリリースし続けています。

限定盤レコードの例

フリッパーズ・ギター / ヘッド博士の世界塔(PSJR-9003)

フリッパーズ・ギター「ヘッド博士の世界塔」を高価買取しております

いわゆる「渋谷系」の超重要バンドの最終作です。当時イギリスで隆盛を見せていたアシッドハウスやシューゲイザーの雰囲気を取り入れ、さらにビーチボーイズのサンプリングなど温故知新の精神溢れる名作です。

最後に

今回は希少価値の高いレコードについてお話ししました。もちろんこの条件にあてはまるレコード全てが高値になるわけではありませんが、ひとつの目安としてお役立てくださいませ。

TU-fieldでは、ここで紹介したほかにも、様々なレコードの買取を行っております。買取事例では金額も併せて、当店の買取実績を紹介していますので、そちらも御覧くださいませ。皆様からのご依頼、心よりお待ちしております。

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