LP、EP、SP・・・どんなレコードが高価買取になるの?
LP、EP、SPなど、ひとくちにレコードといっても沢山の種類があります。ご実家の整理などで古いレコードがたくさん出てきたとき、目の前にあるレコードが何という種類のレコードなのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、レコードの種類ごとに、どんな中古レコードが高価買取になるかご紹介します。
LP、EP、SP 簡単な見分け方
とりあえず見分けたい、という方のために、3ステップで見分ける方法をご紹介します。これで9割は見分けられますよ。
重いでしょうか、軽いでしょうか?
まずは、お手持ちのレコード盤を持ち上げてみましょう。重いでしょうか、軽いでしょうか。
重かったら、それはSP盤です。SPレコードは他のレコードと素材が違い、重たくて硬いです。手でもってそらせようとしても曲がりません。無理をすると割れてしまいます。
軽かったら次のステップです。
レコードの直径は何センチでしょうか?
物差しをご用意ください。レコードの直径は何センチでしょうか。
26センチくらいなら、10インチレコードです。
17センチくらいなら、EPレコード(7インチシングル)です。
ここまでで当てはまらなかったら、それはLP盤か12インチシングルです。
次のステップに参りましょう。
レコードの盤の真ん中のラベルは何でしょうか?
レコードの盤の真ん中に、ラベルが貼ってあります。そこに「33 1/3RPM」とか、「45RPM」とか書いてあります。
「33 1/3RPM」なら、LPレコードです。
「45RPM」なら、12インチシングルです。
これで、今回ご紹介する5種類は見分けられます。ただ、レコードは融通が利くメディアなので、これに当てはまらなかったりすることはあります。
それでもほとんどのレコードはこれで見分けがつきます。
LPレコード・LP盤
レコードといえば、このLPを思い浮かべる方が多いでしょう。
一般的な中古レコード店でも、LPに場所を割いているお店が多いです。直径がおおよそ30センチの、プラスチックでできたレコードです。
LPは「Long Playing」の略で片面に25分ほど収録できます。
高価買取のLPレコード相場
種類でいうと、中古のLPはもっとも高価買取が期待できます。というのも、現在名作として知られているレコードのほとんどはLPで、新しくレコードを聴く人もLPから聴く人が圧倒的に多いからです。
ジャンルとしては、洋楽ロックやジャズが特に高価買取が期待できますが、今回は各ジャンルから1枚ずつ、すべて国内盤(日本盤)のLPをご紹介します。
EPレコード・EP盤
日本では、「EPレコード」というと直径が17センチのシングル盤を指します。片面1曲ずつ収録されるものが多いです。中心の穴が約4センチとLPより大きく、ドーナツのような形なので「ドーナツ盤」と呼ばれることもあります。他にもサイズから「7インチ」とも呼ばれます。
高価買取のEPレコード相場
1枚あたり2曲のEPは、今のダウンロード購入と感覚的には近いものと言えるでしょう。
当時の定価もLPの3分の1から4分の1程度とリーズナブルです。中古相場もLPに比べると振るわず、パンクなど特定ジャンル以外では買取相場も低いものが多くなります。しかしご安心ください。
EPでも、もちろん高価買取の中古レコードは存在します。
12インチシングル
LPと同じサイズで、ぱっと見にはLPと間違えそうなレコードですが、片面2曲程度のシングル盤です。LPよりも1分間あたりの回転数が大きいため、音質がよいレコードです。クラブ系で特に多い形式です。
高価買取の12インチレコード相場
12インチは流行を写したレコードと言えるかもしれません。LPサイズの盤を贅沢に使うわけですから、売れるアーティストの作品が多いはずです。しかしながら諸行無常、入荷する中古の12インチを見ていると、流行り廃りの悲哀を感じます。
ここで取り上げるものは、限定盤などプレミア的な意味で相場のよい12インチが多いです。
10インチ盤
LPとEPの中間、26センチほどのレコードです。ジャズの名盤では、オリジナルがこの10インチというものもあり、思わぬ高価買取になるケースもあります。
高価買取の10インチレコード相場
10インチ盤は1950年代、30センチのLPが一般的になる前に多く製造されていました。ジャズの名門「ブルーノート」からも、数々の10インチがリリースされました。規格番号から「5000番台」と呼ばれています。
Miles Davis / Young Man With A Horn(US盤10インチ、BLP5013) (US盤10インチ、BLP5047)
※USオリジナル10インチ盤、深溝
買取上限価格:2,000円
SPレコード・SP盤
これまで紹介してきたレコードはすべてプラスチック(ビニール)でできていました。このSPはレコードのなかで一番古い種類で、蓄音機で聴くものでした。「シェラック」という素材でできていて、ずっしりと重く、割れやすいレコードです。
高価買取のSPレコード相場
SPはカビや衝撃に弱く、製造年代も古いため、よい状態で残っているものとなると数が限られます。相場はものによりますが、ジャンルでいうと朝鮮出身歌手のものが特に高額になることが多いです。
他には美空ひばりなど流行歌でもちゃんと値段のつくものがあります。逆に長唄や端唄、浪曲など、もとから聴く人が少ないものはあまり値段はつきません。
SPレコードは新しいものでも60年以上昔のものなので歴史的価値や希少性は他のレコードより高いですが、買う人が少ないため高額が出にくいという面があります。
※B面「生まれいづる歓び」
買取上限価格:400,000円
朝鮮出身のソプラノ歌手による吹込みです。録音の数日後に恋人と心中してしまったというからまさに「決死」だったのでしょう。