レイとデイヴのデイヴィス兄弟によって結成されたキンクス。
同年代のビートルズやストーンズと比べると、知名度や評価が低く、「UKロック史上最も過小評価されたバンド」と言われています。
しかしその一方で、後世の音楽シーンに与えた影響は、ビートルズやストーンズに匹敵するものとも称されています。
今回はキンクスの歴史を振り返りながら、レコードの買取相場をご紹介していきます。

キンクスとは

前述したビートルズやストーンズに比べると、キンクスはキテレツなバンドとも言われますが、そのファズの効いたギターサウンドは「キンキー・サウンド」と命名され、ヘヴィ・メタルやパンク、オルタナティブの原石といっても過言ではありません。
また兄のレイは、次々と新曲を量産し、他のギタリストにはリフの天才と称され、初のヒット曲である「You Really Got Me」のリフは、ロック史上最も有名なリフと言われています。
ちなみに、デイヴィス兄弟の不仲はとても有名で、ツアーでも別の飛行機に乗ったり、ホテルも別々にしていたとか…。

次項では、そんなキンクスのレコード買取相場をご紹介します。

キンクスのレコード買取相場

国内盤をピックアップしました。どのバンドにもいえることですが、やはり60年代のレコードで帯付きは希少です。今回取り上げたレコードの中にも、帯が価格の半分以上を占めているようなものがあります。

タイトル参考買取価格
マスウェル・ヒルビリーズ(LP:SRA-5537)5,000円
キンクス・ファースト・アルバム(UPS-563-Y)5,000円
アーサー、もしくは大英帝国の衰退並びに滅亡(LP:JET-2106)5,000円
パーシー(LP:YS-2542-Y)10,000円
ローラ対パワーマン(赤色帯LP:YS-2456-Y)10,000円
フェイス・トゥ・フェイス(LP:YS-2282-Y)10,000円
キンクス・サイズ(LP:YS-2353-Y)15,000円
ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ(LP:YS-2120-Y)20,000円
サムシング・エルス(LP:YS-2168-Y)20,000円

※レコードは状態や相場状況によって買取価格が変動します。
あくまでも参考程度にお考えいただくようお願いいたします。

キンクスの歴史

1964年~1966年(デビュー~初期)

1964年にリトル・リチャードのカヴァー曲「のっぽのサリー」でデビューするも、ヒットせず、セカンドシングル「ユー・スティル・ウォント・ミー」はチャート落ち。
3枚目のシングルがヒットしなかったら契約を破棄すると通告されます。

しかし、同年リリースした「ユー・リアリー・ガット・ミー」は全英ナンバー1を獲得し、アメリカでもトップ10のヒットとなりました。
荒々しいギターサウンドは、アンプのスピーカーを切り裂いて作ったというものです。

デビューアルバム「キンクス」もイギリスでチャート4位、その後発表するシングルも軒並みヒットし、「ウェイティング・フォー・ユー」はイギリスのシングルチャートで1位を獲得しました。

1965年にはツアーをおこないますが、デイヴとミックが乱闘騒ぎを起こし、米国音楽家連盟は後の4年間に渡って、キンクスがアメリカで演奏活動を行う許可を与えないこととしました。

その後、アルバム「キンク・コントラヴァーシー」発表あたりから、レイの作曲スタイルが進化し、社会風刺や人物描写がされ、ユニークなイギリス風のエッセンスがちりばめられていきます。

1966年に発表した「サニー・アフタヌーン」は大ヒットとなり、チャート1位を獲得。
レイは音楽雑誌や評論家から、評価を受けることとなりました。

1967年~1972年(最盛期)

1967年に発表したシングル「ウォータールー・サンセット」は、キンクスのイギリスにおける最大ヒットのひとつであり、最も人気が高い曲となりました。

音楽ジャーナリストのロバート・クリストゴーは「最も美しい英語の歌」と称し、音楽情報サイトの権威であるスティーヴン・トーマス・アールワインは、
「おそらくロックンロール時代の最も美しい歌」に選定しました。

同年にニューシングル「オータム・オルマナック」を発表し、すぐにトップ5のヒットとなりました。

しかし、それ以降3年間ほど、イギリスでのトップ10ヒットに恵まれませんでした。
1968年よりスタジオでのレコーディングに焦点を合わせ、同年にアルバム「ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ」をリリース。

当初、世界での売り上げはわずか10万枚程度でしたが、キンクスの最初のベストセラーアルバムとなり、現在でも高い人気を得ています。

1970年には、キンクスの代表作と言われているアルバム「ローラ」を発表し、アメリカとヨーロッパ各国で大ヒットとなり、キンクスは前線に返り咲くこととなりました。

1973年~現在(後期)

1973年、レイはロックオペラを飛躍させることなどに力をいれはじめ、ホーンセクションと女性バック・コーラス歌手を含めて、ロック・オペラ的ロック・バンドとして再編成されました。

1976年にアリスタへの移籍を期に、再度バンドをモデル・チェンジ。
ビッグ・バンド形式を捨て、最低限の編成で洗練されたバンドに生まれ変わりました。

1979年の「ロウ・バジェット」発表後のツアーが功を奏し、アメリカでのセールスがこれまでの作品中では最高を記録。

1983年に発表した「カム・ダンシング」は世界的に大ヒットし、全シングルの中で最も売れた作品となりました。

その後、契約問題なども重なり、1992年ごろまでキンクスとしての目立った活動はありませんでした。

1992年に新作を発表するニュースが舞い込みますが、1993年に発表した「フォビア」は売れ行きも良くはなく、現時点で最後のアルバムとなっています。

正式なアナウンスはありませんが、1997年に事実上の解散となっています。

また、2018年には再結成のニュースが流れましたが、真意は定かではない状態です。

まとめ

今回はキンクスの歴史を振り返りながら、レコードの買取相場をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

不遇が重なって、ビートルズやストーンズほどの知名度はありませんが、わかる人にはちゃんと届いて評価を受けており、噂になっている再結成が実現したらいいなと思います。

さて、TU-Fieldでは聴かなくなったレコードの買取をおこなっています。
ダウンロードやCDでは手に入らない、廃盤になった作品もレコードには多くあります。
素晴らしい音楽や芸術を、次の世代に引き継ぐためにも【処分】ではなく
【買取】を選んでいただけたら嬉しいです。

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