目次
ビートルズのレコードが出てきた! いくらで売れるの?
普段音楽を聴かない人でも、「ビートルズ(The Beatles)」という名前はご存じの事でしょう。ひょっとしたら、ジョン・レノンやポール・マッカートニーなど、メンバーの名前を思い浮かべられる方も多いのではないでしょうか。
それほど有名で、リアルタイムでもとても人気のあったビートルズですから、世界には沢山のレコードが出回っています。ここ日本でも、ビートルズのレコードは再販を重ね、同じタイトルでも複数のバージョン、かなりの量が出回っています。家の整理などで出てきたレコードのなかにビートルズもあった、というケースはよくあることです。
このように、一口にビートルズといっても沢山のレコードがあるわけですから、希少なプレミア盤からお手軽価格で買えるものまで、相場は様々です。
今回は、数あるビートルズのレコードから、高価買取になるものをご紹介します。
ビートルズのレコードの高価買取実績
とそのまえに、実際に当店で高価買取させていただいた買取事例をご紹介しましょう。
こちらは1967年に発表された「マジカル・ミステリー・ツアー(OP-4335-6、EPレコード2枚組)」の帯付きです。20万円で買取させていただきました。「帯付き」とわざわざ書いたのは、「帯」に価値があるためです。追々ご説明しましょう。
そしてこちら、詳細はもっと下のほうで解説しております。インナースリーブという付属品の欠品がありましたが20万円で買取させていただきました。全部そろっていれば22万円で買取させていただきます。これも、この水色の「帯」がたいへん重要です。
ビートルズ中古レコードの現状
ザ・ビートルズは、1962年から1970年という短い期間で12枚のLPアルバムを発表しました。世界各国でもアルバムの発売はもちろん、独自編集盤など、おびただしい数のレコードが発売されました。アルバム名をひとつ挙げるだけでも、とんでもない数のバージョンがあります。
例えば、1969年発表の「アビイ・ロード(Abbey Road)」は、CDなども含めると、実に700ものバージョンが確認されています。国内盤(日本盤)LPに限っても、帯などの違いで10種以上のレコードがあります。そしてもちろん、それぞれ中古市場での相場は異なるのです。
・・・ややこしいな! と思われることでしょう。実際ややこしいのです。買取サイトで飛んでもない高額を掲げていたので依頼してみたら、バージョンが違うとかで期待を大きく下回る買取価格になった、などということが起こってしまうのです。
そこで今回は、「一目瞭然」の特徴から、高価買取のビートルズのレコードをご紹介します。キーワードは次の4つです。
- 半掛け帯
- 水色V帯
- 半円帯
- 赤盤
※ご紹介している買取相場価格は執筆時(2021年6月15日)のものです。市場の動向によって価格が変わることがございます。
「帯」とは
国内盤(日本盤)レコードの特徴として、「帯(Obi)」があります。わざわざローマ字でカッコ書きしたのは、この「帯」が海外のコレクターに人気があるためです。
そもそも帯というものは、何というアーティストの、何という作品かを紹介したり(海外アーティストのレコードの場合)、レコードの売り文句を書いたりするもので、どうしても商売臭さが出てしまうものです。せっかくのジャケットデザインが隠れてしまうのを嫌って帯をジャケットのなかに仕舞ったり、あるいは捨ててしまう人も多かったことでしょう。
ところが、このなじみのない異国の文化が海外のマニアには珍しく、かっこいいものに思えたのです。1980年代後半から、日本でも帯への注目度が高まり、「どの帯か」が相場に大きく影響するようになりました。
帯の重要さはビートルズに限ったことではありません。ローリング・ストーンズ、バーズ、ボブ・ディランなど同時代の国内盤レコードの多くは、帯の希少性ゆえに相場が高くなっているレコードが多いのです。例えばこの事例では合計35万円を超す買取となっていますが、なんとレコード11枚で30万円の査定になっています。そして驚くなかれ、その30万円の大半は帯で値段が付いたようなものなのです。
ビートルズの半掛け帯LPレコード
なかでも特に希少性が高く、プレミアがついたのが「半掛け帯」。通常はジャケットをぐるりと一周する帯が主流ですが、これはジャケット上部に引っ掛けて下側はひらひらしています。
この帯が使われたタイトルは『ビートルズ!(Meet The Beatles)』、『ビートルズNo.2(The Beatles Second Album)』、『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day’s Night)』の3枚、いずれも独自盤、または独自ジャケットです。
ビートルズ半掛け帯のレコードの買取相場価格
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズ!(Meet The Beatles)(OR-7041)
※国内盤、半掛け帯付き、赤盤
350,000円
最初の2枚のアルバム(「Please Please ME」、「With The Beatles」)とシングル曲から選曲された、初期ビートルズのベスト的内容の国内独自盤LPです。
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズNo.2(The Beatles’ Second Album)(OR-7058)
※国内盤、半掛け帯付き、赤盤
250,000円
これまた国内独自選曲のLPです。
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day’s Night)(OP-7123)
※国内盤、半掛け帯付き、赤盤
200,000円
ビートルズの主演映画のサウンドトラック盤LPです。曲目はオリジナル準拠ですが、ジャケットデザインは国内独自になっています。
ビートルズの水色V帯LPレコード
半掛け帯の次に希少な帯として知られるのが「水色V帯」です。帯が水色で、上部がV字型に白いことから、水色V帯と呼ばれています。
そして、この帯に「補充票」というものが付いているかどうかも大きなポイントになります。補充票とは、本でいうところの売り上げカードのようなもので、レコード屋さんがどのレコードが売れて発注しないといけないか記録するために使っていました。これは、帯の裏側を見ると一目瞭然です。
ビートルズの水色V帯LPレコードの買取相場価格
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズ!(Meet The Beatles)(OR-7041)
※国内盤、水色V帯(補充票)付き、赤盤
220,000円
このレコードを実際に買取させていただきました!
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズNo.2(The Beatles’ Second Album)(OR-7058)
※国内盤、水色V帯(補充票)付き、赤盤
220,000円
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day’s Night)(OP-7123)
※国内盤、水色V帯(補充票)付き、赤盤
200,000円
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / リボルバー(Revolver)(OP-7600)
※国内盤、水色V帯(補充票)付き、赤盤
20,000円
様々な実験に取り組んだ意欲的な作品です。有名なところでは、「Tomorrow Never Knows」のジョンのヴォーカルは回転スピーカーを通して録音されました。なんでも「丘の向こうからダライ・ラマが説法するような声」をご所望だったそうな。
ビートルズの半円帯LPレコード
半円帯もまた希少性の高いものです。V帯と同じく、デザインからこう呼ばれています。色によって、水色半円帯(青色半円帯)と緑色半円帯があります。
ビートルズの半円帯LPレコードの買取相場価格
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ラバー・ソウル(Rubber Soul)(OP-7450)
※水色半円帯、赤盤、国内盤
15,000円
1965年発表。インドの楽器「シタール」を取り入れた「ノーウェジアン・ウッド」など、ポップソングにとどまらない可能性を見せ始めた作品です。
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / 4人はアイドル(HELP!)(OP-7387)
※水色半円帯、赤盤、国内盤
10,000円
某TV番組のオープニングでおなじみの表題曲やポールの名曲「イエスタデイ」(Yesterday)、「涙の乗車券」(Ticket To Ride)など人気の曲が多く収録されたアルバムです。
ビートルズの赤盤レコード
「赤盤」とは文字通り赤いレコードのことです。透明な赤色で、勉強につかう赤シートや下敷きのような色です。赤盤は1960年代から70年代初頭にかけて、東芝が製造していました。通常の黒いレコードよりもホコリが付きにくいというのが売りで、「エバークリーンレコード」という名称が付けられていました。
実は上で紹介した半掛け帯、水色V帯、半円帯のレコードも赤盤ですが、他の帯でも赤盤のレコードがあります。いくつかご紹介しましょう。
ビートルズ赤盤LPレコードの買取相場価格
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / ステレオ!これがビートルズVol.2(With The Beatles)(OP-7549)
※赤色帯・ライナー・インナースリーブ付き、国内盤、赤盤
20,000円
ほとんどが英国でのセカンドアルバムから選ばれた、国内独自盤です。
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / アビイ・ロード(Abbey Road)(AP-8815)
※国内盤、丸帯・ライナー付き、赤盤
5,000円
リンゴの部分が丸いことから、「丸帯」と呼ばれる帯です。「アビイ・ロード」(Abbey Road)のジャケットは当初、エベレストで撮影するという案をポールが出しましたがボツに。結局リンゴが「スタジオの前の道で撮ればいい」と言ってこの有名ジャケットが誕生しました。
ロック
ザ・ビートルズ(The Beatles) / レット・イット・ビー(Let It Be)(AP-80189)
※国内盤、丸帯・ライナー付き、赤盤
3,000円
これも丸帯です。あまりにも有名なビートルズのラストアルバムです。
最後に
いかがでしたでしょうか? 帯が違うというだけで相場が違ってくるということに驚かれた方も多いことでしょう。もしかしたら、押し入れにずっと眠っているビートルズのレコードが思わぬ高価買取になるかもしれませんよ!
タイトル | 買取価格 |
---|---|
ビートルズ!(OR-7041)半掛け帯 | 350,000円 |
ビートルズNo.2(OR-7058)半掛け帯 | 250,000円 |
ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(OP-7123)半掛け帯 | 200,000円 |
ビートルズ!(Meet The Beatles)(OR-7041)水色V帯 | 220,000円 |
ビートルズNo.2(OR-7058)水色V帯 | 220,000円 |
ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(OP-7123)水色V帯 | 200,000円 |
リボルバー(OP-7600)水色V帯 | 20,000円 |
アビイ・ロード(AP-8815)赤盤・丸帯 | 10,000円 |
ステレオ!これがビートルズVol.2(OP-7549) | 20,000円 |
ラバー・ソウル(OP-7450)水色半円帯 | 15,000円 |