今回ご紹介するのは、英国の名門タンノイ(TANNOY)のモニタースピーカー、「Buckingham Monitor」です。幅1メートル、高さ72センチ、奥行43センチと、日本の住宅事情から考えると贅沢な空間の使い方をする大きなスピーカーです。重量は1台で80kg。持ち主様はこれを縦置きにして、さらに50kgの御影石を載せておられました。
タンノイについて
タンノイは100年近い歴史をもつ老舗オーディオメーカーです。エジンバラ、デヴォン、そしてこのバッキンガム・モニターのように地名を冠したモデルや、マニア憧れの的であったオートグラフ(品質保証の証として、創業者Guy Rupert Fountainの署名が記されていたことに由来します)など、数々の名機を送り出しています。
コアキシャル・ユニット
タンノイの高級スピーカーに見られる特色として、「コアキシャルユニット」があります。このバッキンガム・モニターでは3つのスピーカーが配置されていますが、下の2つは低音担当のウーファーです。上にあるのがコアキシャルユニットで、ユニット1つで中音域(スコーカー)と高音域(ツイーター)を鳴らします。同心円状に2つのスピーカーが組み込まれた構造になっていて、中心部では高音、周辺部では中音域が鳴る仕組みです。
こうすることによって、音の臨場感にかかわる大きな問題である、「音の高さによって音の出る場所が違う」という問題を解決しているのです。
買取させていただいたBuckingham Monitor
経年による劣化はありましたが、かなり綺麗に保たれていました。バイアンプ接続にも対応していますが、試聴はシングルアンプで行いました。ソースはザ・ビートルズのUS編集盤『Yesterday And Today』。1曲目の「Drive My Car」が鳴ったとたん、部屋は一瞬にして60年代にタイムスリップしたかのようでした。