一概に言えるわけではありませんが、同じタイトルのレコードでは「オリジナル盤」の相場が一番高い傾向があります。
オリジナル盤というのはざっくばらんにいうと「アルバムが発表されるとき、一番最初にプレスされたレコード」のことです。本でいうところの初版です。ではなぜこのオリジナル盤の相場が良いのか。それはレコードの製造過程を知るとよくわかります。
今回のコラムではレコードの製造工程をご説明しながら「なぜオリジナル盤が高価なのか」という疑問にお答えします。

アナログレコードの製造過程

アナログレコードの製造工程をまとめると以下のようになります。

(レコーディング・マスタリング)
 ↓
・カッティング
 ↓ 
・メタルマスター製造
 ↓
・マザー製造
 ↓
・スタンパー製造
 ↓
・プレス(レコードの完成)

専門用語の目白押しですが、要するに「レコードの溝をきざむためのハンコづくり」をやっています。順を追ってみていきましょう。

レコーディングとマスタリングはミュージシャンやプロディーサーたちの作業ですね。録音した曲の各楽器の音量やバランスを調整して「この音で発表します」という音に仕上げた「マスターテープ」を作ります。

カッティングというのは、この「マスターテープ」の音を機械で刻む作業です。アルミにラッカーコーティングした板に音を刻み、「ラッカー盤」というものを作ります。このとき刻まれる溝は完成型のレコードと同じ凹型です。
カッティングというのはレコードから出る音を決める重要な作業です。ブルーノートなど、ジャズの名盤を多く手掛けたルディ・ヴァン・ゲルダーというカッティングエンジニアがいましたが、彼がカッティングしたレコードにはイニシャル「RVG」が刻印されています。まるで画家が作品にサインをするかのようですね。余談でした。

次に、このラッカー盤をハンコにして金属製の「メタルマスター」を作ります。溝が凸型に出っ張った、レコードのハンコの形です。マスターは保存用です。「このレコードはこの形だ!」という原器です。

今度はマスターをハンコにして、銅製の「マザー」を作ります。溝は凹型ですね。マザーは複数作られます。

またまたハンコです。今度はマザーから凸型の「スタンパー」を作ります。このスタンパーでレコードをプレスするのです。
スタンパーは消耗品です。へたってきたら、またマザーからスタンパーを作ります。

なぜオリジナル盤は音が良いのか

さてレコードの製造工程を追ってみましたが、この工程の何カ所かを見ていくとオリジナル盤は音がいいと言われるわけが分かります。

まず、カッティングの時に使われるマスターテープです。これはアナログの磁気テープであり、オリジナルは一つしかありません。例えばビートルズのレコードを日本で発売するとなると、日本のレコード会社がイギリスからマスターテープのコピーを取り寄せます。国内盤とUK盤とではスタート地点が違うのです。

そしてカッティングです。先に述べました通り、これはレコードの音を決める作業です。本国ではミュージシャンやプロデューサーが立ち会うこともあります。ここでもハンデがありますね。
あとは物理的劣化です。マスターテープもマザーも酸化などの経年劣化からは逃れられません。

こういった条件を考えていくと、同じタイトルのレコードでもオリジナル盤の音が良いと言われる理由がお分かりいただけると思います。

オリジナル盤の音質については諸説あります。また個人の感じ方でも変わってくるところなので、一概に「オリジナル盤は音が良い」というわけではありません。

まとめ

今回はレコードの製造とオリジナル盤についてでしたが、いかがでしたでしょうか? 
オリジナル盤に限らず、レコードの世界は奥が深いものです。本当の価値を見極めるには専門性が必要になります。だからこそ、レコードをお売りになるときは専門店をご利用いただきたいのです。

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