「時代ごとに自分を維新して、新しい音楽に挑戦していくアーティスト」
デヴィッド・ボウイを一言で表すなら、そんな感じではないでしょうか。
2016年1月8日、69歳の誕生日に最後のアルバム「ブラックスター」を発表し、
その2日後、肝癌でこの世を去ったデヴィッド・ボウイ。
アルバム「ブラックスター」は死をテーマにした作品で、その人生の最期までアートである様は、デヴィッド・ボウイだからこそ成せる業だと感じます。
当然、世界中に熱烈なファンが多く、高額で取引されるレコードもたくさんあります。
今回は、デヴィッド・ボウイの軌跡を辿りながら、レコードの買取相場をご紹介していきます。

デヴィッド・ボウイの軌跡

グラムロック期

デヴィッド・ボウイを思い浮かべるときに、一番に頭をよぎるのはグラムロック時代のデヴィッド・ボウイだと思います。
真っ赤な髪に、奇抜なメイクや大胆な衣装…さすが、グラムロック(日本でいうところのヴィジュアル系です)の先駆者です。
1969年に発表したアルバム「スペイス・オディティ」は、映画「2001年宇宙の旅」から着想を得ており、アポロ11号の月面着陸に合わせて発売され、ストーリー性や宇宙を思わせる斬新なサウンドで大ヒットしました。
1972年に発表したコンセプトアルバム「ジギー・スターダスト」では火星からやってきたロックスターという設定で活動し、妖艶なビジュアルや奇抜なライブパフォーマンスで神格化されていきます。
(ちなみにライブツアーの衣装を、山本寛斎が担当していました)
しかし、この人格をあっさりと封印し、デヴィッド・ボウイは次のステージへと向かうのです。

ソウル時代

1974年に始めた北米ツアーでは、ロック史上に残る巨大な舞台セット導入して、絶賛されるも、相次ぐ機材トラブルとデヴィッド・ボウイの体調不良で、開始2ヶ月ほどで中断となります。
この中断をしている間に、ソウルに傾倒するようになり、ツアーを再開するときには音楽性が全く違うものになっていました。
1975年には「白人である自分が、いかに黒人音楽のソウルフルさに近づけるか」をコンセプトにしたアルバム「ヤング・アメリカンズ」を発表。
この後に主演映画「地球に落ちてきた男」がクランクインをしますが、その映画の影響や長年のドラッグ使用・中毒で疲弊し、自身のアイデンティティを見直す作業を余儀なくされました。
1976年には前作と真逆の「白人である自分が、いかに黒人音楽を取り入れるべきか」を追及。その成果はアルバム「ステイション・トゥ・ステイション」に結実しました。タイトル曲は10分ほどにもなる大曲です。
そして、またもやデヴィッド・ボウイは、更なるステージへと向かいます。

ベルリン時代

デヴィッド・ボウイは再び架空の人物「シン・ホワイト・デューク(やせた青白き公爵)」を設定し、活動していきます。
ドラッグからの更生もかねてベルリンへ移住し、ひっそりと音楽制作を始めました。
1977年から1979年にかけて、環境音楽の先駆者であるブライアン・イーノとのコラボレーションで制作されたアルバム「ロウ」「ヒーローズ」「ロジャー」の3作品は「ベルリン3部作」と呼ばれ、「ヒーローズ」はパンク旋風吹き荒れる中、全英3位を獲得します。
しかし、まだまだデヴィッド・ボウイの進化は止まりません。

80年代以降 商業的成功から休業へ

それまでのカルトスターとしてのデヴィッド・ボウイとは決別し、ポップへ方向転換します。
全英1位になったアルバム「レッツ・ダンス」ではカルトスターからメジャーロックスターの座につくことになりますが、迷走と模索の時期といえるでしょう。
この頃のデヴィッド・ボウイは俳優としての活動も多く、映画「戦場のメリークリスマス」が公開されたのも1983年のことです。
その後、バンド「ティン・マシーン」を結成するも商業的に振るわず、数年で解散し、ソロに戻ります。
コンスタントに新しい作品の発表とツアー活動をおこない、復調の兆しを見せますが、2004年のツアー中に体調不良で入院してから、10年近く表舞台から姿を消すこととなります。

突然の復活、そして突然の別れ

ボウイはもう音楽を作ることはないのかもしれない、多くの人がそう思っていた2013年、突然の新作アルバム「ザ・ネクスト・デイ」を発表し、創造性の健在を見せつけました。そして69歳の誕生日、2016年1月8日に最後のアルバム「ブラック・スター」を発表。デヴィッド・ボウイが世を去ったというニュースが報じられたのは、そのわずか2日後のことでした。

デヴィッド・ボウイのレコードの買取相場

希少性でいうと、初期のタイトルにレアものが多いです。「スペイス・オダティー」の国内盤シングル(SFL-1244)や「冷たい炎」の国内盤シングル(SFL-1277)などは優に10万円を超える買取価格になります。
また人気でいうとダントツはグラム・ロック期です。「ジギー・スターダスト」や「ハンキー・ドリー」、「アラジン・セイン」などの帯付き国内盤LPも、初版は1万円を超える買取価格が期待できます。

まとめ

デヴィッド・ボウイの軌跡を辿ってまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
時代に合わせて自らを維新し、挑戦し続けるその姿は、「生きる」ことについて色々と考えさせられました。
さて、TU-Fieldでは不要になったレコードの買取のお手伝いをしております。
レコードにはダウンロードやCDでは手に入らない、廃盤になってしまった作品も多くあります。
聴かなくなったレコードは【処分】ではなく【買取】を選んでいただきたいです。
音楽や芸術を次の世代に残すためにも、TU-Fieldをご活用いただけたら幸いです。
ご連絡をお待ちしております!