ここ最近若い方の中でも、アナログ・レコードの人気が出てきています。
レコード買取専門店のTU-Fieldにとっても丁寧に買取したレコードたちがまた新たに若い方の手に渡り長く楽しんでいただけると思うと、とても嬉しいことです。
しかし、アナログ・レコードを初めて聴こうと考えたときに気になるのはレコード・プレーヤーの使い方ですよね!そこで、この記事ではレコードの種類、レコードの正しい聴き方(レコード・プレーヤーの正しい使い方)から、「やってはいけないこと」を初心者の方向けに簡単にご紹介します。最後にお勧めのレコード・プレーヤーも紹介しますので、ぜひ参考に素敵なアナログ・レコードライフを楽しんでください。
目次
【初心者むけ】アナログ・レコードの取り扱い方法
まずは、初心者の方向けにアナログ・レコードの取り扱い方法を簡単に説明します。レコードを取り扱う際に覚える必要があるのはレコードのサイズと回転数についてです。それぞれ紹介します。
レコードのサイズとは
まれに特殊なものもありますが、レコードのサイズと回転数は基本的に次の3つを覚えていればこれからレコードを楽しむ初心者の方は問題ありません。それは『LP』『EP』『SP』の3つです。
この記事でより詳しくレコードの種類と回転数について紹介しています。
レコードの種類「SP盤・LP盤・7インチシングル盤・EP盤・12インチシングル盤」あなたはいくつ知っていますか?
EP:45回転、7インチ(直径17.78cm)
SP:78回転、10or12インチ(直径25.4or30cm)
レコードの回転数とは
回転数とは端的に言うと、レコードが1分間に回転する回数のことです。
ほとんどのレコード・プレーヤーは、ボタン一つで回転数を切り替えることができ、レコードの回転数とプレーヤーの設定を合わせることで、正しく再生することができます。
もしも回転数の設定を間違った場合、例えば33回転のレコードを45回転の設定で再生してしまうと音は鳴りますが、1分間の回転数が通常より10回転以上も多くなるため、早送りのような感覚になります。
間違えて再生しても、どちらかが直ちに故障するといったことはないので、落ち着いて正しい設定に切り替えましょう。
LP(33回転)
33回転のLPはロングプレイの略で、45回転のEPと比べると若干音質は劣りますが長時間の収録が可能です。
どうせならすべて音質のいい45回転で収録すれば良いのではと思う方もいるかもしれません。しかし、物理メディアであるレコードは、収録できる範囲が限られています。音質はいいといえど45回転の場合、収録面積が広くなってしまうため、33回転に比べて収録できる時間が短くなります。
よって、アルバムなどの長時間の音源を収録する場合は、33回転ということになります。ロックやジャズ、クラシックなどのLP盤のほとんどが、33回転なのは、このような理由からです。
また、音質の優位性や長時間収録という理由とは関係なく、33回転が好まれるケースもあります。それはスクラッチという技を用いるケースです。
ヒップホップなどのジャンルの場合スクラッチする際にレコードの操作性の良さからか、アルバム、シングル問わず33回転が主流になっています。
EP (45回転)
先ほど、33回転と比べて45回転の方が音質は優れているとお話ししました。その理由は33回転に比べて45回転の方が速く回転するので、例えば、同じ曲をそれぞれの回転数で収録した場合、45回転で刻まれた溝の方が長くなります。
溝が長くなることで、楽曲の収録面積が広くなり、ゆとりのある状態で音を収録できます。これにより音の解像度が向上するため、45回転で収録した方が、音質が良くなるのです。
EP はA面とB面に1曲ずつ合計で2曲が収録されています。
S P(78回転)
SPとは最も古いタイプの円盤型のレコードです。
そのため数も多くありません。しかし、長くレコードを楽しむ場合は出会う機会もあるかと思いますので簡単に紹介します。
大きさはLPと一緒もしくはやや小さいのですが、回転数は倍以上の78回転になっています。
入門機のプレーヤーの場合は、78回転に対応していないこともあるので、もし聴きたいレコードがSP盤ならば対応しているか確認をしてから購入しましょう。
レコードジャケットの取り扱い方法
ここからは実際にレコードを手に取り再生するまでに必要な知識を紹介します。
まず、初めてのレコードが手元に届いた際ははやる気持ちを抑えなるべく丁寧に扱う必要があります。
まずはジャケットと、レコードどちらもが皮脂などで汚れてしまわないように、手を清潔にしましょう。そしてジャケットの口を上に向けてからビニールを開封しましょう。ジャケットの口を、横や下に向けた状態で開封してしまうとレコードがするっと下に落ちてしまい、傷つく恐れがあります。
また、レコードをプレーヤーにセットするまではジャケットにしまっておき、なるべ棚などに立てて置いておきましょう。
レコードを聴くために必要なもの
それではここから、実際にレコードを聴くために必要な機器を紹介します。
まずはレコード・プレーヤー(ターンテーブル)
レコード・プレーヤーは、アナログ・レコードを再生するための音響機器で、蓄音機とも呼ばれます。昔はSP盤を再生する専用のものを「蓄音機」、LPレコードを再生するものを「レコード・プレーヤー」と呼んでいました。最近だとDJ用語から「ターンテーブル」と呼ばれることも多いです。
フォノイコライザー
レコードを再生するためになくてはならないもので、簡単に説明すると、レコードにカッティングしやすいように処理された音を、フラットな音に戻すための回路のことを言います。もしアンプにフォノ端子がない場合は、このフォノイコライザーを用意しましょう。
アンプ
ここでいうアンプとは、音響を表現した電気信号を増幅する機器で、日本語では慣例的に、英語名amplifierを短縮させ「アンプ」と呼ばれることが多いです。これがないとレコードを再生しても、スピーカーが鳴りません。
スピーカー
言わずもがな、電気信号を音に変える装置です。最終的に音が出る部分だけに、スピーカー選びは重要です。また再生装置の中でも特に存在感があるので、外見・音ともに気に入るものを選ぶとより楽しいレコードライフになることでしょう。
【番外】これらをすべて内蔵し、レコードをセットするだけで簡単に聞くことができる一体型のレコード・プレーヤーが1万円ほどでも購入できるので、レコードデビューを控えた初心者の方には一体型レコード・プレーヤーがおすすめです。
レコード・プレーヤーのセッティング方法
それではレコード・プレーヤーのセッティング方法を順に説明します。
1.まずは本体を水平に
レコード・プレーヤーは非常に繊細な再生装置です。そのため本体が斜めになっていると適正な再生が出来ません。その為ある程度、本体の水平は必要です。
テーブルやラックも意外に水平になっていないことがあるため注意が必要です。
そういった場合はレコード・プレーヤーの4点足をそれぞれ上下に調整し、水平を出して下さい。その際には水準器を使うことをお勧めします。小型の水準器ならAmazonでは800円程度で購入できます。
2.回転数の確認
これは初心者の方には少し難易度が高く感じられますが、音質を保つために33回転、45回転などの、回転数を確認しましょう。
ターンテーブルにはストロボ縞が4本あり60Hz/33回転、50Hz/33回転、60Hz/45回転、50Hz/45回転と分かれています。静岡・長野・新潟を境に関東圏は50Hz、中部・関西地域は60Hzの所を見ます。スコープ縞が止まって見えれば適正回転数です。
3.針圧の調整
カートリッジ(レコード針)には「適正針圧」があります。針圧をかける事で針がレコード溝に落ち音を聞くことができます。適正針圧はカートリッジによって違いがありますが、説明書やインターネットのサイトにもよく掲載されているため、参考にしてください。
適正針圧より針圧が高かったり低かったりすると、音が鈍くなったり、軽くゆがんでしまったりときちんとした音楽を聴くことができません。
アームについている目盛りを頼りに圧をかけたつもりが大きくずれていることもあり、正しい測定をする為には、デジタル針圧計を利用することをおすすめします。
4.アームの高さ調整
意外に軽視されがちなアームの高さ調整。これもプレーヤー同様水平が基本です。まずは、プレーヤーにレコード盤を乗せてから、レコード針を落とします。この状態でアームが水平になる様に調整します。そこで、カートリッジ側の高さと軸側の高さを確認します。モノサシやゲージを垂直に立てて確認すると測りやすいです。
5.カートリッジの傾き
レコードの音が入っている溝部分はV字型に掘られている為、レコード針は垂直に針が降りていることが理想です。意識してみてきましょう。
ひとまずこれらの調整を意識できれば、適切な音質でレコードを楽しむことができるでしょう。
やってはいけないレコードの取り扱い方法
アナログ・レコードは非常に脆く、傷つきやすい一面があります。よい音を長く楽しむためには、いくつか注意して扱う必要があります。これから説明する「やってはいけない10の事」を守ることで破損の原因や、音質の劣化を防ぐことに役立ちます。
1. 曲の頭出しの際にキューイングレバーを使わない
まずは、曲の頭出しに針を上げ下げする際は、ターンテーブルのキューイングレバーを使用してください。横着をして指を使ってしまうと、レコードの溝を傷つけたり、針を破損してしまったりする恐れがあります。
そして、針を乱暴に落としたり、急にあげたりするのも控えましょう。針の上げ下げは、優しくフェードアウトするように扱うことでレコードが傷つきません。
2. アナログ・レコードを積み重ねる
レコードを補完する際は、ジャケットに入れている・入れていないに関わらず、積み重ねてはいけません。レコード同士の重さによる反りや破損の危険性があります。レコードは常に棚の中に本のように直立させて保存するか、レコードを収納するための専用ケースを活用することをお勧めします。
3.濡れた状態でレコードを再生する
レコードのクリーニングなどを行った後、完全に乾く前に再生しないようにしましょう。
クリーニング後は完全に乾いた状態になってからレコードを楽しんでください。
4.指をレコードに近づける
指の皮脂もそうですが、皮脂がさらにホコリを集め、レコードの音質に影響をあたえる可能性があるため、素手でレコードの盤面には触れないで下さい。
もしレコードの盤面に触れてしまった場合は、すぐにレコード専用のクリーナーかアルコールできれいに洗浄し、乾燥できるところへ収納しましょう。
5.Tシャツなどの身近な布でレコードを拭く
これはどんなにTシャツがきれいで柔らかい布だったとしてもやめておきましょう。静電気が起き、ほこりやTシャツの付着物が逆にレコードを汚してしまうことになります。
6.レコード専用でない洗浄液を使用する
レコード専用ではない洗剤やクリーナーは使用しないことをお勧めします。
モノによってはレコードの盤面が解けて二度と聞けないなどといった事態になりかねません。
7.レコード・プレーヤーが停止する前にレコードを取り上げる
ターンテーブルが回っている最中にレコードを取り上げないで下さい。レコードのフリップサイドを傷つけることにつながります。常に、プレーヤーが止まっているのを確かめてから、取り外しを行ないましょう。
8.ジャケットのカバーにテープを張る
これはジャケットが破れてしまった際にやってしまいがちなのですが、裂けた状態のジャケットを修復するのに、テープを使うのは控えましょう。経年により、黄色く変色したり、粘着剤でべとべとになってしまったりして、結果的により悪い状態になるでしょう。
おすすめは、ジャケットを外袋に収納してから、その中にレコードをその中に収納する方法です。
そもそも、ジャケットが破れることを防ぐ方法としては、ジャケットの保護カバーを購入し、ジャケット、レコードを別の保護カバーに入れてから、一緒に収納することで双方の劣化を防ぐことができます。
9.レコードを雑にジャケットにしまう
ジャケットにレコードを直すときには、ストンと落ち込むように入れないようにしましょう。適切にレコードを入れる方法としては、カバーを水平にし、開いているところへ、優しくスライドさせます。
10.再生し終えたレコードを放置すること
ホコリや汚れがたまるのを防ぐために、聞き終えたらできるだけ早くレコードをジャケットの中にしまいましょう。
これらの「やってはいけないこと」をしなければレコードを長くきれいに楽しむことができるでしょう。繊細なレコードは取り扱いに手間がかかることが多いですが、それが余計に愛着のわく要因となるのかもしれませんね。
まとめ
レコードの種類、レコードの正しい聴き方(レコード・プレーヤーの正しい使い方)から、「やってはいけないこと」を初心者の方向けに簡単にご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。これであなたも安心してアナログ・レコードデビューができるのではないでしょうか。
ぜひ、慣れるまではこの記事を保存していつでも見返せるようにしておいてくださいね。
また、長く楽しんだレコードを整理したいとお考えの際や、レコード・プレーヤーを本格的なものに買い替える際に古いものがいらなくなったら、TU-Fieldを思い出してください。レコードだけでなく、CD、オーディオ機器など音楽関係商品の買取りを承っております。