Judee Sill(ジュディ・シル)という女性シンガーソングライターがいました。
生前にたった2枚のアルバムを残し、薬物の過剰摂取により35歳の若さでこの世を去ったミュージシャンです。

当時は不遇のキャリアを送ったジュディの音楽が2000年以降再評価を受け、未発表曲集やライブ音源が発売されたり、オリジナルのUS・UK盤レコードは高額で取引されています。

今回はジュディ・シルの生い立ちから死後の再評価までに至る経歴と、レコードの買取相場をご紹介します。

Judee Sillのプロフィール

ジュディ・シル(1944年10月7日 – 1979年11月23日)はアメリカ西海岸のシンガーソングライター。

フォーク音楽と宗教音楽を融合したような牧歌的かつ神秘的な音楽性が特徴。
バッハの音楽やゴスペルからも影響を受けており、美しく独特な音楽を残しています。

1971年に「Judee Sill」、1973年に「Heart Food」の2枚のオリジナル・アルバムを発表。
死後20年以上たった2005年、3枚目のアルバム用の未発表デモやその他の未発表曲をまとめた「Dreams Come True」がリリースされています。

Judee Sillの経歴

2000年以降に再評価され注目を集めたジュディ・シルですが、生前の彼女の人生は順風満帆ではありませんでした。

ここでは、彼女の生い立ちから死後の再評価まで、ジュディの経歴を追って見てみましょう。

悲惨な生い立ち

ロサンゼルス生まれのジュディは幼少期に父と兄を事故で亡くしています。
母親の再婚相手の義父はアルコール中毒で家族に暴力を振るい、ジュディは10代にして家出、放浪生活に。
ドラッグや犯罪にも手を染め、逮捕されてしまいます。

服役中の矯正プログラムの中で教会音楽に感銘を受けた彼女は、ゴスペル的なオルガン奏法を習得。
ヘロイン中毒を克服した後はピアノとギターも習得し、出所後は本格的にソングライターの道を志すのです。

タートルズへの楽曲提供

出所後に西海岸へ戻ったジュディは、タートルズ加入前のジム・ポンズに出会います。
これが縁となりタートルズは彼女の楽曲「Lady-O」を録音しヒットを飛ばします。

これがジュディの最初の成功となりましたが、タートルズはその後すぐ解散。
彼女の長期的なキャリア形成には至りませんでした。

アサイラム・レコードからデビュー

ジュディを世に送り出したのは、後にゲフィン・レコードを設立するデヴィッド・ゲフィンでした。
彼の最初のレーベル「アサイラム・レコード」の第1作目として、アルバム「Judee Sill」は1971年にリリースされます。

また、デヴィッドがマネージメントを務めていたグラハム・ナッシュとデヴィッド・クロスビーのツアーのオープニング・アクトに抜擢され、ジュディの存在が多くの聴衆に知られることに。

しかしジュディの1stアルバムは評論家からの評価は高かったものの、商業的な成功には至りませんでした。

2作目の発売、しかし…

73年には、前作よりも音楽性の広がりを見せる2ndアルバム「Heart Food」をリリース。
しかし完成から発売までの間のインタビューで、ジュディがデヴィッドのホモ・セクシャルを暴露してしまい、激怒した彼が「Heart Food」の宣伝を一切行わないという事態に。

このため、評価は高いものの前作より売り上げは下回るという結果になり、アサイラム・レコードとの契約も打ち切られてしまいます。

交通事故、薬物中毒による死

商業的成功や一般的な支持を得られなかったジュディは徐々に表舞台から姿を消し、再びヘロインやコカインなどのドラッグ中毒に陥ります。
その後交通事故に遭う不運に見舞われ、結局音楽界に戻ることなく、1979年に35歳という若さで亡くなりました。

死後の再評価

2000年以降、ジム・オルークやXTCのアンディ・パートリッジといった高名なミュージシャン達が言及・賞賛したことで一気に認知度が高まります。

2005年に未発表曲集「Dreams Come True」、2007年にライブ盤「Live in London: The BBC Recordings 1972-1973」が発売。
再発CD・レコードの発売や、オリジナル盤が高額取引されるなど、生前に実現できなった根強い人気を獲得しています。

ジュディ・シルの高価買取レコード

ジュディ・シルが生前に残したアルバムは2枚だけ、ということで2作品のみの紹介となります。

タイトル参考買取価格
ジュディ・シル(ROK NOW帯:IAP-80573)7,000円
ハート・フード(帯付きLP:IAP-80810)10,000円

※買取価格は状態、付属品の有無によって大きく変わります。
また相場状況でも変動がございますので、ご参考程度にお考えください。

まとめ

ジュディ・シルの経歴を見てみると、順風満帆でないどころか悲惨な人生とも言えるでしょう。
そして彼女の音楽は、その悲惨さを自分で洗い流そうとするかのような美しさを持っていて、本当に惹きつけられます。
彼女が生前に残した数少ない作品をお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひ当店にご相談下さい。